紙切れ旅行記

旅行で使った紙切れを紹介する何かのブログ。時系列はだいたいバラバラです。

中野駅MV30

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中野から東京までの何の変哲もない乗車券です。

 

中央本線中野駅にある指定席券売機で購入したもので、購入当時は熱転写印字となっていました。

 

そんなわけで、今回の記事は券売機ネタとなります。

 

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中野駅にあったMV30の指定席券売機

 

上記の切符を購入した時点で、首都圏からは熱転写印字の指定席券売機の置き換えが相当進んでいて、中野駅や池袋のびゅうプラザぐらいしか残っていないという状況でした。首都圏の駅にはたくさん指定席券売機が設置されていますが、そのほとんどが感熱印字の指定席券売機となっていました。

 

一般の人からすれば「熱転写とは? 感熱とはなんぞや?」みたいな認識…どころか違いにも気づかない可能性もありますが、簡単に言えば切符の印字方式の違いです。

 

熱転写方式はインクリボンを熱を帯びた印字ヘッドで切符の用紙に転写する方式です。印字が太めだったり、印字の劣化が少ないという特徴がありますが、インクリボンを使う関係で管理コストがかかるという事業者側のデメリットもありました。

一方の感熱方式は熱を加えると変色する専用の切符の用紙に熱した印字ヘッドを押し当てて印字する方式です。インクリボンが不要なので事業者側からすれば熱転写方式よりもコストパフォーマンスに優れるというメリットがあります。熱を加えると変色するという特性上、熱湯や熱風を当てると赤黒く変色しますし太陽光が当たる場所に放置すると全体的に徐々に変色するので保存という観点では熱転写よりも劣るとみなされる場合が多いです。

 

現在主流の感熱印字方式に比べて保存性が良いとかインクの乗りが良いといった理由で熱転写印字方式を好む人たちがいたそうです*1

 

 

はえきねっとの受け取りや企画乗車券の購入に中野駅にあったMV30指定席券売機を使いましたが、複数台あったので1枚1枚を別の機械で発券していました。中には音声を発せないサイレント発券をする機械もありました。発券待ちの間、「あー…これは置き換え不可避だ」と思いました。

 

中野駅の熱転写方式のMV30は、2019年の2月頃に感熱方式のMV50に置き換えられたそうです。程なくして池袋のものも置き換えられて、JR東日本管内からは熱転写印字の券売機は消滅しました。

最終的にはJR東海にあった熱転写方式の指定席券売機MV35が最後まで残っていましたが、最後まで残っていた焼津駅のものが2019年8月に置き換えられて、熱転写方式のマルス券の歴史に幕を下ろすことになりました。

*1:もちろん切符の効力に違いはない