大分から博多までの、特急36ぷらす3の特急券・グリーン券です。
JR九州の鉄道株主優待券を使って購入しているため、特急料金とグリーン料金がそれぞれ5割引になっています。
36ぷらす3は、2020年10月16日から運転を始めた九州を反時計回りに1周する観光列車です。JR九州の観光列車では初となる電車が使われています*1。
列車名の36ぷらす3の由来は、36が九州が世界で36番目に大きい島というのを示していて、沿線の35のエピソードを紹介することで利用者自身で36番目のエピソードを語ってほしいとの願いも込められているんだそうです。3には驚き・感動・幸せの意味が込められていて、36+3で39(サンキュー)の輪を広げたい…ということだそうです。
木曜日「赤の路コース」から始まって博多→鹿児島中央と運転し、金曜日「黒の路コース」で鹿児島中央→宮崎、土曜日「緑の路コース」で宮崎空港→別府、日曜日「青の路コース」で大分→博多と運転して、月曜日「金の路コース」では博多~長崎間を1往復運転します。5日間かけて九州7県を反時計回りに1周するコース設定となっています。
なお、運転時刻はいずれも日中時間帯となっていて、夜行での運転は想定されていないそうです。
なお、36ぷらす3の運転に当たって専用のグリーン料金が設定されていて、
- 150kmまで 3,300円
- 200kmまで 4,300円
- 201km以上 5,300円
と、JR九州管内の在来線特急グリーン料金よりも割高な価格となっています。
緑の路コースと青の路コースでは、大分駅で改札を出ないで乗り換える際の料金通算の対象外にもなっています。
但し株主優待券を使った割引でグリーン料金を半額にすることはできます。
というか、36ぷらす3に安く乗ろうとするなら株主優待割引利用以外にないと思われます。
36ぷらす3には専用の改造が施された787系が使われています。編成番号も改造と同時にBM-363に改番されています*2。
車体は黒く塗られていて、鏡のように人や風景を映します。至る所にロゴマークが描かれていて、車体側面でも記念撮影ができるようになっています。
5号車と6号車にグリーン席が設定されていて、一般販売分はグリーン席の一部区画だけ設定されています。1~3号車にはグリーン個室がありますが、そちらはツアー販売のみとなっています。
1号車と6号車の客室の床は畳敷きとなっていて土足厳禁になっています。デッキの所に座席番号が書かれた靴箱があるので、そこに靴を収納してから客室に立ち入ることになります。
36ぷらす3の5号車と6号車にあるグリーン席。
— Acacia(旧称:プライド) (@pride_787) 2021年2月21日
椅子は新幹線800系のやつの改良品。窓は襖とブラインドの二段構え。 pic.twitter.com/VKzlfHJjiL
グリーン車の椅子は800系新幹線に使われているものの改良品となっています。割高なグリーン料金に見合う椅子ではない感が凄いのですが…。
九州新幹線長崎ルートに導入される予定のN700Sの普通車指定席の椅子もこれと同じものが使われるんだそうです。
座席の窓には襖が設置されていて、デフォルトで半分しか開かなくなっています。
特急つばめ時代以来となるビュッフェ車の復活。コーヒーサーバーもあるね pic.twitter.com/JP4YpCM9PJ
— Acacia(旧称:プライド) (@pride_787) 2021年2月21日
3号車には、特急つばめ号以来となるビュッフェ車があります。飲食物やグッズの購入ができます。
4号車マルチカー。ほぼ1両まるまるフリースペースになってて、ビュッフェの食べ物飲み物をここで飲食することもできる pic.twitter.com/hXolLrrdKA
— Acacia(旧称:プライド) (@pride_787) 2021年2月21日
4号車は1両のほぼ全てがマルチカーとなっていて、飲食をすることができます。
車内イベントもマルチカーにて行われています。
36ぷらす3の青の路コースの停車駅は大分→別府→小倉→博多となっていますが、それ以外の杵築・中津・門司港の各駅はおもてなし停車駅として設定されていて、車外に降りて物産品の購入などができます。
他にも車内では予約制のイベントが行われます。コースによって内容が変わるそうです。
別府駅発車後の車内改札の後に、乗客全員に36ぷらす3 青の路コースの記念乗車証を兼ねた冊子が配られました。
走行区間の沿線の情報やエピソードが書かれていて、乗車記念のスタンプやおもてなし停車駅で押すことができるスタンプを押すスペースも冊子の中にあります。
大分駅から博多駅までの全区間で乗車しました。所要時間は約5時間と、同区間を走る特急ソニックの倍以上となっています。
日豊本線内では特急ソニックから逃げるためか高速走行を行っていて、ダイナミックな揺れも体感できました。
なお、青の路コースの門司港駅では30分停車し、改札の外に出ることもできます。同時に門司港駅出発時には進行方向が変わり、1週間後の門司港駅到着まで逆向きの編成になったまま走り続けます。そのため、36ぷらす3は週ごとに編成の向きが変わっていて同じ座席番号でも週ごとに見える景色が変わるという特徴があります。
西小倉・小倉~門司港間が重複する経路となりますが、この区間の運賃は不要となっています。
門司港駅からの折り返しとなる鹿児島本線区間では日豊本線区間と打って変わってノロノロ運転でした。車内イベントも小倉駅発車後に行われたことから、それの関係で速度を落としていた可能性もあります。